赤飯


 

 を亡くしたばかりの男がたまたま赤飯を食べた。さかしらぶった儒学者、それを見とがめて男を非難した。
「どうして赤飯を食べてはならないので?」
 との問いかけに、儒学者、得意満面に、
「赤は慶事に属する色だ。喪中の人間が食べるべきではない」
 すると、男、
「ならば銀シャリを食べるのは、皆、喪中の人なんですか?」

(明『雅謔』)