妖童


 

 櫻桃(ていおうとう)は後趙(注:五胡十六国の一国)の優僮(ゆうどう、注:子供役者)である。艶麗で淫蕩(いんとう)、征虜将軍の石虎(せきこ、注:335年に後趙の帝位を簒奪する)を惑わし、その寵愛を深く受けた。
 はじめ、石虎は将軍郭栄(かくえい)の妹を妻に迎えていたが、鄭櫻桃にそそのかされて殺した。後に清河の崔氏を後添えに迎えたが、これも鄭櫻桃の讒言(ざんげん)を入れて殺してしまった。

(唐『晋書』)