貧乏秀才
死んだばかりの男が閻魔様の前に引き出された。閻魔様、 「この者は生前、充分すぎる享楽を味わった。今度は秀才に生まれ変わらせ、五人の子持ちとさせようぞ」 と判決を下す。すると傍らで聞いていた鬼卒、 「この者の罪は重うござります。そのような結構な身分に生まれ変わらせるのはどうかと」 と口を挟む。閻魔様、にっこり笑って、 「その罪が重いので、貧乏秀才に生まれ変わらせて、たくさんの子供を持たせ、生きながらに地獄を味わせてやろうというのじゃ」 (明『笑府』)
死んだばかりの男が閻魔様の前に引き出された。閻魔様、 「この者は生前、充分すぎる享楽を味わった。今度は秀才に生まれ変わらせ、五人の子持ちとさせようぞ」 と判決を下す。すると傍らで聞いていた鬼卒、 「この者の罪は重うござります。そのような結構な身分に生まれ変わらせるのはどうかと」 と口を挟む。閻魔様、にっこり笑って、 「その罪が重いので、貧乏秀才に生まれ変わらせて、たくさんの子供を持たせ、生きながらに地獄を味わせてやろうというのじゃ」
(明『笑府』)