恐がり
夏首(かしゅ)の南に涓蜀梁(けんしょくりょう)という人がいた。愚かで非常に恐がりであった。 ある月の明るい晩、たった一人で出かけた。ふとうつむいて、足元に長々と伸びる己の影法師を見た。 「ギャッ!伏鬼だ」 見上げると、己の髪の毛が目に入った。 「ヒィイッ!立魅(りつみ)だ」 恐ろしさのあまり引き返して駆け出した。ようやく家にたどり着くと、気を失って絶命した。 (戦国『荀子』)
夏首(かしゅ)の南に涓蜀梁(けんしょくりょう)という人がいた。愚かで非常に恐がりであった。 ある月の明るい晩、たった一人で出かけた。ふとうつむいて、足元に長々と伸びる己の影法師を見た。 「ギャッ!伏鬼だ」 見上げると、己の髪の毛が目に入った。 「ヒィイッ!立魅(りつみ)だ」 恐ろしさのあまり引き返して駆け出した。ようやく家にたどり着くと、気を失って絶命した。
(戦国『荀子』)