鶴に乗る仙人


 

 延賞(ちょうえんしょう)の従弟に盧君という人がいた。
 ある晴れた日のことである。空は真っ青に晴れ上がり、雲一つ浮かんでいなかった。盧君が空を見上げていると、仙人が鶴に乗って飛んでいく姿が目に入った。鶴は一羽だけではなく、数羽が仙人の前後を取り巻くように一緒に飛んでいる。仙人は一羽から別の一羽へ、まるで人が馬を換えるように乗り移っていった。

(唐『尚書故実』)