『三国志』をきく
知人から聞いた話である。 下町の子供はすこぶる腕白で、親でさえ手を焼くことがしばしばである。そういう時には、子供に小遣いを持たせて昔話を聞きに行かせる。子供たちのお気に入りは三国時代の物語である。劉備玄徳が負けたと聞くと、眉をしかめ、中には涙を流す者さえある。曹操が負けたと聞くと、痛快がってはやし立てる。 善人と悪人の影響は、百世経っても変わらず続いているということであろう。 (宋『東坡志林』)
知人から聞いた話である。 下町の子供はすこぶる腕白で、親でさえ手を焼くことがしばしばである。そういう時には、子供に小遣いを持たせて昔話を聞きに行かせる。子供たちのお気に入りは三国時代の物語である。劉備玄徳が負けたと聞くと、眉をしかめ、中には涙を流す者さえある。曹操が負けたと聞くと、痛快がってはやし立てる。 善人と悪人の影響は、百世経っても変わらず続いているということであろう。
(宋『東坡志林』)