目に優しい


 

 もそも五色(ごしき、注:黄、青、赤、白、黒)はどれも視力を損なうものである。ただ、黒に限っていえば、目に優しい。
 南唐の中書では、すべての屏風(びょうぶ)の表に黒の薄絹を貼っていた。目をいたわるためである。
 王丞相(おうじょうしょう)も役所にいる時には、黒の薄絹を貼った屏風を用いていた。

(宋『倦游雑録』)