斉 女


 

 の后(きさき)が王と深刻な仲たがいをした。后は憤りのあまり亡くなった。
 死後、后は蝉に生まれ変わり、王宮の中庭の木に登って王の非を訴えて鳴いた。王は深く後悔したが、取り返しはつかなかった。

 蝉が別名「斉女」と呼ばれるのはそのためである。

(六朝『古今注』)