妖僧仏図澄


 

 図澄(ぶっとちょう)は永嘉四年(310)にはるか西域から洛陽へやって来た。彼は不思議な呪文を唱え、鬼神を使役することができた。

 その脇腹には孔(あな)があいており、普段は綿をつめてふさいでいた。夜、読書する時に綿を抜き取ると、孔から光が出て部屋中を照らした。夜が明けると河へ行き、この孔から五臓六腑(ごぞうろっぷ)を引き出して洗う。洗い終わると、腹に納めるのであった。

(六朝『捜神後記』)